出産予定日(4月20日)より1ヶ月近く早い3月26日。前日にあった出血を気にしつつ、朝起きていつも通りトイレへ・・・昨日よりも増した出血。「おお・・これは!」「やはりうわさに聞く‘おしるし‘とやらか・・・」。「ほんとに?」「でもまさか」こんな半信半疑な気持ちが行ったり来たり・・・。そして、お昼頃には生理痛のような下腹部をおさえられる痛みが不規則に起こる。久しぶりに生理痛を思い出した。この日パパは、「もしやぼくちゃん(当時腹の中にいる時はこう呼びかけていた)が産まれるのでは」という不安のもと、ぜひその瞬間をデジカメにおさめなければと家電店を駆け回っていた。夕方になり、パパがデジカメを抱え帰ってきた。その時、痛みは治まっておらず、それどころか40分間隔で30秒痛むという規則的なものに変わっていた。ママはタイムウォッチを片手に痛みと格闘していた(後にパパに言わせると、その姿は滑稽だったと)。そもそも陣痛を知らない私は「だれか陣痛ってどんな痛さなのか教えてくれ!」と叫びたい気分だった。やがて痛みは30分間隔となるが、ここにきても陣痛だという確信をもてないまま、パパが「これが夫婦二人での最後の晩餐かもね」なーんて冗談を言いカレーライスを作ってくれた。ママの胃は、ぼくちゃんがお腹にいたこの10ヶ月間ずーっともたれていたが、この時なんだかすっきりしていた。(後になって考えれば、この時すでにぼくちゃんは下がってきてたのでは・・・!)10分間隔になってきたのは8時30分。やがて9時には5分間隔で60秒痛むという激しい痛みになっていた。毎週欠かさず見ていた竹内豊主演の「輪舞曲ろんど」の最終回が始まり、こればかりは見逃すわけにはいかないとタイムウォッチを片手に痛みを耐えていた。しかし、陣痛って不思議なもので、この60秒だけ呼吸をせず我慢していれば、すぐ平気になる。9時30分頃、もう同じ体勢から動けない状態になって、膀胱を突き刺す痛さが3分おきにやってくる。「あーあと30分、ドラマのクライマックスが・・・」後ろ髪ひかれる思いで・・・しかし、とうとう痛さに耐えきれずパパの車に乗り込んだ・・・・・・